佐藤三佳公式サイト

2021.3.19 | カテゴリ:ブログ

『また・・・逢おうね』


NPO法人サイモントン療法協会
公式メールマガジン【第710号】
(R3.3.12)より
 
おはようございます。
札幌の認定カウンセラーの佐藤三佳です。
北海道は春らしいあたたかさと、
吹雪いてホワイトアウトを繰り返し、
それでも、少しずつ春に近づいています。
 
家の近くを歩いていると、
お茶屋さんが経営しているカフェがあり、
このカフェを教えてくれた
友人のことを思い出しました。
彼女は、おしゃれなカフェをよく知っていて、
ランチに行くのも、お茶に行くのも
いつも彼女がお店を決めてくれました。
 
『私ね、実は闘病中なんだ』と告白された時、
彼女の娘は2歳でした。
娘の七五三の写真も撮ってあげられない。
そう言って泣いていた彼女。
 
元々は乳がんで、肝臓の転移でみつかって、
肺にも骨にも転移があるんだって・・・。
怖くてステージどれくらいか、聞いていないんだ・・・。
いつも病気の話ばっかりになってごめんね。
 
娘の成長をみることができない。
母親として何もしてあげられない。
 
「病気の話ばかりでもないよ」
「本当に何もできないのかなぁ??」
「娘のこと考えて色々やってるじゃない?」
そんな会話を何度も何度もしました。
 
娘が4歳になったある日、
私と友人は、コーヒーの美味しいカフェで
ランチを楽しんでいました。
彼女は、ランドセルの色を迷っています。
2年後に必要なランドセルです。
病気と共存しながら、
次の目標に向かっている感じが、
彼女の本来の明るさや強さを輝かせています。
『1年生になるのはみられるかな』
不安は、時々襲ってきます。
 
聞くと、保育園に通う娘は、
たくさんの習い事をしており、
ピアノに新体操にそろばん教室に・・・
ほぼ毎日、習い事の予定が入っています。
彼女の時間を、
私に使ってもらうのはなかなか大変です。
 
私としては、「少し、休む時間つくったら?」
と彼女に言いたかったのですが、
彼女は次のゴールに向かって邁進しています。
 
『状況は、SNSにあげておくから・・・』
そういう彼女のSNSを覗くと、
娘の成長日記のようなたくさんの写真と、
彼女自身の闘病記。
写真をアップするペースが、
そのまま彼女の体調のバロメーターのようでした。
 
昨年の春、コロナ禍の中、娘は小学一年生。
入学式は無事に終わったものの
1週間後には緊急事態宣言で、
休校になってしまいました。
SNSには、
娘とのお家時間の写真がいっぱいでした。
 
少しでも時間があれば、
いろんな場所に出かけて行って、
娘の写真を撮り続けていました。
もう少し、もう少し時間を・・・
写真が訴えてくる無言の言葉たち。
彼女にしか撮れないような
娘のベストショットばかりでした。
 
昨年10月、彼女は旅立ちました。
彼女の人生を生き抜きました。
 
娘にいろいろな習い事をさせて、
母親は忙しすぎたのではないかと
私は、思っちゃっていたけれど・・・
娘が何に興味を持って、
何を続けていくのか、
やってみないとわからないから、
一緒に始めたんだね。
楽しいと感じることが何なのか、
一緒に探したんだね。
 
母親として、いっぱい愛情を注いだね。
娘のランドセル姿、みられたね。
その先のゴール設定もして欲しかったな。
娘の成長は、彼女の肉体は無くなっても
彼女の魂が見守り続けるのかな。
 
すごいなぁ・・・
「できない」ことばかり考えて
涙していたあの日。
「できる」ことを探して、やり続けました。
いつも元気をくれる笑顔でした。
 
素敵なカフェ、おしゃれなカフェ。
彼女は詳しくて、いつだって教えてくれました。
悔しい。悲しい。さみしい。
 
彼女の病気のことを知ったのは、
北海道で唯一のカウンセラー、
だけど、
一人でどうしていけばいいのだろう・・・
そんな風に焦っている頃でした。
彼女の存在は、
ここで私ができることは何か、を
自分に問いかける機会になっていきます。
外に向かって探してばかりいた何かを、
自分の内側で探すようになりました。
 
思い通りにならないことが多い中で、
自分にとって大切なことは何かを
真剣に考えるようになりました。
 
彼女にとって、大切だったことは、
母親がいてもいなくても、
娘が幸せに生きてくれること
だったのではないかと思い当たった時、
私からみると、
無理しすぎているように見えたことも
彼女には必要なことであったと理解できました。
 
自分にとって大切にしたいことは何なのか、
人それぞれ違うことを理解して、
お互いを尊重しあえるような関係を
作っていきたい、そう思います。
 
私に出会ってくれてありがとう。
娘の成長は、私も陰ながら見守ります。
そして、また・・・逢おうね。
今度は、私が素敵なカフェを探そうかな。
 
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◆執筆者プロフィール◆
 
佐藤三佳(さとうみか)
 
サイモントン認定カウンセラー
ニックネーム:みかりん
 
・ちょっと変わった管理栄養士
 
・喜びリスト
 きりんが大好き
 旅先で動物園とお城に行く
 日本ハムファイターズの応援
 難しいジグソーパズルをする
 ご朱印帳を持って神社などに行く
 
◇カウンセリング◇
 響きの杜クリニック(札幌市中央区)
 Bliss Tree(札幌市清田区)
 ご自宅にも訪問します。

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