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2016.8.27 | カテゴリ:ブログ

悪しき慣習を断つ

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こんばんは。
札幌市在住のサイモントン療法認定カウンセラーの佐藤三佳です。
このサイトにアクセスしていただき、ありがとうございます。
 
今年は東京のインターンプログラムに通っています。
数年前にも夏の東京インターンプログラムに通いながら、
「暑さでとける~」と言っていたことを思い出します。(笑)
 
その第3回目が8月初めの週末でした。
毎回、そこに集う人々のエネルギーが
特別な場を作り上げています。
本当に、素晴らしい特別な雰囲気を感じます。
 
今月、私の心に響いたのは
『悪しき慣習を断つために・・・』という言葉でした。
 
 
私の父は、札幌から80kmほど離れた街で
建材店を経営していました。
東京から呼び戻され、祖父と一緒に始めた事業でした。
父の跡を誰が継ぐのか?
私は4人姉弟の3番目。
家を継ぐ事など考えたこともありませんでした。
跡継ぎからは、私が一番遠い存在のはずでした。
 
もう一度、東京に出たい・・・
そんな想いを長男である弟に託した父は、
私に継がせようと思った瞬間があったのでしょう。
今考えると、私をそばにおきたいという気持ちもあったのかもしれません。
「あんたはお父さんにとって、一人っ子みたいにかわいいんだよ」
母にそういわれたのもこの頃だったように思います。
その頃は、迷惑でしかありませんでした。
 
短大生の娘は「なんで私なの?」
反発の言葉しかでてきません。
「私は栄養士になるために学校に行っているんだよ」
父は「おまえの旦那がやってくれたらいい」
この時の私は、家のために犠牲になるなんて、とんでもない・・・
そう思っていました。
 
その後、就職を田舎で探そうかと言い出した私に、
父が言ったのは「帰ってこなくていい」でした。
 
バブルがはじけて、景気が悪くなっていた頃でした。
建築業界の経営は厳しくなってきていました。
 
周りからは、誰が継ぐのかと噂されていたようでした。
父は、私にも弟にも「継がなくていい」と言い、
「やりたいという人がいたらやってもらう」と言いました。
 
商売をしていると、
銀行からお金を借りながらの自転車操業で、
借金が残るから・・・と、建材店を辞めることもできません。
 
仕事を辞めてゆっくりしてほしいと、私が言うと父が言いました。
「60代はまだ働けたんだ。でも70代になったらきつくなってきた。
 今、辞めたらおまえたちに借金しか残せない」
「残った借金なら、相続放棄するから大丈夫だよ。
 早く辞めて、孫の成長を楽しみに過ごしたら?」
と私が言うとちょっと嬉しそうでした。
 
この会話から2週間くらい経った頃、父が倒れました。
そしてそのまま、意識は戻りませんでした。
 
もしも父が倒れなかったら・・・
私は、父の建材店を閉めるための手伝いをするために、
田舎に帰っていた気がします。
そのタイミングが私にはあったのです。
 
しかし、父はそれを望まず、父の代で終わらせました。
父が倒れたことで、会社は一気に倒産に向かっていきました。
 
望む形ではなかったけれど、
父にとって必要なことが必要なタイミングで訪れたのでしょう。
娘や息子に借金だらけの会社を継がせたくないと思っていた父の、
終わらせ方だったのだと思いました。
経営状態が悪くても、事業をやめられない、
誰かが継がなければならないという、
悪しき慣習を断ったのだと、そう感じました。
 
8月、お盆ということもあり、
お墓参りにも行ってきました。
今は亡き父のことを思い出す、
そんな時期だったのかもしれません。
 
また来月が楽しみです。

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